サイズが全然違うのに、似たような思想で設計されているロボットがあり、面白いと思ったので紹介します。
不二越(NACHI)のMC1000DL
1つ目はこちら、不二越の大型ロボットMC1000DLです。*1
MC1000DLより画像引用
可搬重量1000kg, 自重9000kgという大型のロボットです。
動画が見つからなかったので、同じ構造のSC700DLの動画を紹介(結構古い動画ですね)
自動車のボディー・エンジンなどを搬送する用途のロボットです。
オリムベクスタ(オリエンタルモータ)のOVR480K5N、OVR680K5N、OVR880K5N
2つ目のロボットはこちら、オリムベクスタの4軸ロボットです。
可搬重量5kg, 自重は16.5kg~26.9kgとかわいらしいロボットです。
動画では、左側で動いているロボットです。
基本構造は4軸ロボットですが、手首フリップ軸として、追加の1軸を手先に追加することができます。
(動画の1分13秒付近)
何が似ているか?
2つのロボットの模式図を見てみましょう。
どうでしょうか?なんとな~く似ていないでしょうか。
実はどちらも4軸の平行リンク機構ロボットをベースにしているのです。
4軸の平行リンクロボットは、パレタイズロボットでよく採用される構造です。
ワークを反転する必要がないため、手首の自由度がヨー(水平回転)のみになっています。
機構的に手首が水平に保たれ、力学的な利点もあるのですが、自由度が少ないためワーク姿勢の微調整ができず、用途が制限されます。
詳しくは過去記事もご覧ください。
fa-robot-watch.com
ここで紹介した2つのロボットは、
平行リンク機構で、手首の水平を機構的に保持し、力学的な利点も得た上で、手首の自由度を追加するという思想で設計されています。
(オリムベクスタの方は5軸、不二越の方は6軸と言うことで、1軸違いますが)
可搬重量で比べると1000kgと5kgと実に200倍も違いますが、同じような考えで設計された結果、同じような形状になったというわけです。
生物の収斂進化のようで興味深いと感じたので紹介いたしました。
*1:カタログには載っていますが、日本語版ホームページには記載がありません。SC700DLという同じ構造のロボットはホームページ記載ありです