FA・ロボット業界の片隅から

FA業界の片隅の機械設計者のブログ。 産業用ロボットウォッチが趣味です。

ロボットの機構

アーク溶接ロボットとスポット溶接ロボット

アーク溶接とは ロボットでアーク溶接と言うと、半自動アーク溶接のことを指します。 連続的に供給されるワイヤーを母材に溶かし込みながら、金属をくっつける溶接です。 アーク溶接の種類と原理 | アーク溶接 | 溶接革命 | キーエンス一般的にイメージされ…

ロボットの機構(10)~狭いところでうまく動く工夫~

下記の記事と関連した話です。 fa-robot-watch.com ロボットは干渉が大敵 プログラム次第で様々な動作ができる垂直多関節ロボットですが、大きな悩みの1つが干渉です。 ある姿勢をとろうとすると、周りの設備とぶつかる・隣のロボットとぶつかる・・・ロボ…

ロボットの機構(9)~協働ロボットの手首構造について~

今回は協働ロボットの手首構造についてです。 手首の関節について 通常の6軸多関節ロボットは、下記の図のような関節配置をしているものが多いです。 (当ブログのロボット構造の図示方法はこちらをご覧ください:本ブログでのロボット模式図について - FA…

ロボットの機構(8)~アーム伸縮7軸ロボット~

今回は7軸ロボットについてのお話です。 7軸ロボット 7軸ロボット、このブログを読んでいるような方ならご存じと思います。 冗長自由度を持ち、障害物を回避して作業ができるというものです。 一般的な7軸ロボットについては、こちらのYAMAHAのページを…

ロボットの機構(7)~似て非なる2種類のパレタイズロボット~

以前の記事でパレタイズロボットの仕組みについて説明しました。fasumi.hatenablog.com 3社のパレタイズロボット それでは、次の3社のパレタイズロボットを見てみてください。 川崎重工 CP180L CP180L | 川崎重工の産業用ロボットより引用 不二越 LP130F …

ロボットの機構(6)~てこの原理を活用したロボット~

今回は、機構で特色のあるロボットを紹介します。 MX700N | 川崎重工の産業用ロボットより引用 川崎重工のMシリーズですが、平行リンクのロボットかと思いきや、第3軸に工夫があります。 通常のリンク付きロボットの場合 通常のリンク付きロボットの場合、…

ロボットの機構(5)~パレタイズロボット~

パレタイズロボットとは 物流で使われるパレット。そのパレットに箱や袋を積み上げることをパレタイズと言います。 逆に、パレットに積まれてきた箱や袋を降ろすことをデパレタイズと言います。そのパレタイズ・デパレタイズ作業に使われる専用ロボットをパ…

本ブログでのロボット模式図について

ロボットの模式図 本ブログでは、このような模式図でロボットの機構を説明します。 関節の名称 本ブログでは、根元から第1軸、第2軸・・・と呼んでいます。 参考:産業用ロボットはどんな構造?ロボットアームが動く仕組みを徹底解説 | XYZ | 川崎重工業株…

ロボットの機構(4)~平行リンク機構を使ったロボットの紹介~

平行リンク機構を使ったロボット 先日の記事で平行リンク機構について説明しました。 fasumi.hatenablog.com平行リンク機構を使ったロボットでも、いくつかのバリエーションがあります。 第2軸の横に第3軸駆動部が配置されているパターン 下記の図のように…

ロボットの機構(3)~ばね要素~

前記事のカウンターウエイトの最後に書きましたが、第2軸の動力補助はばね要素を使うことが多いです。 カウンターウエイトと同様、理屈としては簡単で、重力による負荷を軽減するように、ばねの力で助けてやるというものです。 今回はばね要素を使ったロボ…

ロボットの機構(2)~カウンターウエイト~

再度登場FANUCの大型ロボット さて、再度登場してもらいましょう。FANUCのm2000iA. FANUC m2000iA別記事で紹介した平行リンク機構が備わっていることはわかりましたが、まだいろいろついています。fasumi.hatenablog.com後ろについている大きなオモリ、これ…

ロボットの機構(1)~平行リンク機構~

平行リンクと言ってもパラレルリンクロボットのことではありません。*1 垂直多関節ロボットの中の、大型ロボットについている棒。これについて解説していきます。大学でロボティクスを学んだ人にとっては当たり前のことかと思いますが、つらつらと説明してい…