FA・ロボット業界の片隅から

FA業界の片隅のフリーランス機械設計者のブログ。 産業用ロボットウォッチが趣味です。

機械エンジニアの「生涯勉強」とソフトウエア分野の「生涯勉強」は少し違うんじゃないかと思う

※今回の記事は、あくまで機械設計者という1つの立場から書いたものなので、生暖かく受け取ってください。

生涯勉強

エンジニアは生涯勉強だと思っています。
会社勤めしていた時から、技術書は惜しげなく買い、勉強するようにしていました。

また、メカ分野に限らず、技術者が書いているブログを読むのが好きなのですが、ソフトウエア分野での「生涯勉強」と機械分野での「生涯勉強」は少し意味合いが違うのでは?と感じています。*1

機械エンジニアの場合

機械分野というのは、蒸気機関の時代から長くの歴史があり、学ぶべきことが膨大です。
図面の書き方に始まり、要素部品・機構・材料・加工方法・潤滑などなど...
学んでも学んでも、全てに精通することはできない感覚があり、いつまでも一人前になった感じがしない、だから学び続ける、という感覚です。
ただ、枯れている分野なので、新技術や新手法を追いかけるのが大変という感覚はあまりありません*2

学習曲線的なものを描くとこうなるでしょうか。

機械エンジニアの学習曲線

最初学ぶことが膨大で、出だしはなかなか思うように勉強が進まない(時期①)
途中で、おぼろげに全体像が見えてきて、ぐっと伸びる時期がある(時期②)
が、自分の知らない事柄に出会わない、という状態にはいつまでもならず「私はいつになったらこの分野に精通できるのか」と思い続けながら生きていく...(時期③)

ソフトウエアエンジニアの場合

ソフトウエアは機械に比べ歴史が浅いですが、その分、日々日々の進歩が著しく、学び続けていないと置いて行かれる、という感覚ではないでしょうか*3
もちろん、ハードウエアに近い層や言語の設計などの部分は、枯れていると言える部分もあるとは思いますが、
それにもまして、日進月歩の新技術・新手法に常にアンテナを張っていないと、というイメージです。

学習曲線的なものを描くとこうなるでしょうか。

ソフトウエアエンジニアの学習曲線

参考書・参考情報なども豊富であり、最初はある程度ぐっと伸びる(時期①)
常に技術が発展しているため、学んで追いつく、学んで追いつくが繰り返される(時期②)

まとめ?

まあ、これが本当だったらどうなるかと言ったらどうもならないのですが、
ソフトウエア分野では草の根的なの勉強会などが活発なのに対し、機械分野ではあまりそうでもないのは、このような違いが一因となっているのかもしれない、と思ったりもします。

*1:ここでいうソフトウエアは、FA分野のソフトに限らず、もっと広い意味で考えています

*2:3Dプリンタなど新技術もありますが、じわじわと業界に浸透してくるイメージです

*3:あくまでも想像です