FA・ロボット業界の片隅から

FA業界の片隅のフリーランス機械設計者のブログ。 産業用ロボットウォッチが趣味です。

見るからに危ないものとそうでないもの

ぱっと見で危ないと分からない設備はより危険だよね、という話。

見るからに危ないもの

  • 金属を削ったり曲げたりしているもの(プレス機やフライス)

こういうものは、一見しただけですごい出力の機械だ=近づくと危ない、ということが分かるため、気をつけて近づこう...となると思います。*1

一見危なさそうに見えないもの

例えば、

  • 外観検査用のカメラを手先に備えて、大きなワークの撮像をしているロボットアーム
  • エアマイクロを上下させているアクチュエータ

このような設備は、どれくらいのパワーで動いているのか=どれくらい危ないか?が直感的に分かりづらいので、逆に災害を起こしやすい気がします。

必要最小限の動力を選定することが大切

設備設計で大切なことは、必要以上に大きな原動機(モータやエアシリンダ)を選定せず、ミニマムな出力にしておくことだと思います。

(もちろん、警告ラベルや残留リスクの提供は言うに及ばずですが)

ただ、設計の別側面から言うと、後からの仕様変更・改造にも対応できるように、多少のパワー余裕は持っておきたい、という気持ちもあって、ジレンマですね。正攻法でいくならば、例えばモータを選定する場合、現段階でジャストな出力のモータを選定しつつ、後からより大出力のものに交換できるよう、取付部や格納スペースを工夫しておく、というアプローチでしょうか。

産業用ロボットの場合、可搬重量(パワー)とリーチ(腕の長さ)がだいたい正比例*2しているため、必要なリーチのロボットを選んだらパワーは過剰だ、という事態にもしばしば遭遇します。今は協働ロボットという選択肢があるので、だいぶありがたいですね。

*1:慣れてくるとそれでも無造作に近づいてしまったりするわけですが...

*2:塗装用ロボット・アーク溶接用ロボットなど、若干例外あり