FA・ロボット業界の片隅から

FA業界の片隅のフリーランス機械設計者のブログ。 産業用ロボットウォッチが趣味です。

表面粗さの図示と実際について

図面と現物の照らし合わせは大事!だけど・・・

新人が初めて書いた図面の部品が、実際に加工されてきたとき、
「自分が描いた図面が実物としてどうやって出来上がってきたかよく見るといいよ」とアドバイスするのはよくあると思いますが、表面粗さについては注意が必要だと思います。

表面粗さは図面指示よりキレイ目に仕上がってくる

私の経験上、大体の場合は図示した粗さよりも1段階か2段階くらいきれいに仕上げてきてくれることが多いからです。*1
特に、Ra25*2の指示でも、Ra6.3かな?と思えるくらいのキレイさで仕上がってきます。

加工屋さんの都合としては、「加工基準として使うから」「後々クレームになるのが嫌だから」など理由は色々あるかと思いますが、
新人設計者が、そのような現物だけを見て図面指示⇒現物の対応づけをしてしまわないように注意が必要です。
間違った思い込みで「機能上は必要じゃないけど、外から見えるからガサガサは困る・・Ra25でいいか!」と図示しておいたら、正直にRa25で加工されてきて、「こんなガタガタでは使えない!」「いやいや図面通りですから」というトラブルになったりなど...*3

まとめ

実際の部品は、この上ない教材ではあると思うのですが、その会社と加工屋さんとのやり取りの歴史が反映されているという側面もあるため、適宜、アラサ標準片などを活用して学んでいくことが大切ですね。

比較用表面アラサ標準片

私物の表面アラサ標準片(日本金属電鋳製)です。個人で買うにはそこそこ思い切りのいる値段でした・・・

*1:あくまで私の経験です

*2:昔で言うイッパツ

*3:初回製作時や転注したときにありがち