2025年7月~9月の期間で、ロボット関連のニュースで気になったものをピックアップしました。
なお、ソフトバンクグループがABBのロボット事業を買収するというビッグニュースがありましたが、これについてはもう少し状況を注視していこうと思っています。
(ソフトバンクG、スイスABBのロボット事業買収 約8000億円 - 日本経済新聞)
※ピックアップしている記事はメカ中心で、私の目にとまったものですのでご了承ください。
- ユニバーサルロボット社の新製品
- 川崎重工の医療向け新型ロボット
- 安川電機の新型小型ロボット
- ソニーがロボット技術を外販へ
- ヒト型ロボット開発のための連携組織(国内)
- 豊田自動織機の内製2輪搬送ロボット
- テスラ一部の「ギガキャスト」構造を見直し
- ロボット活用
- 要素部品やサービス

ユニバーサルロボット社の新製品
www.robot-digest.com
www.universal-robots.com
ユニバーサルロボット社の新商品UR15の国内初披露と、UR 8 Longについてのニュースです。
UR 8 Longは、おそらくUR15をベースに、可搬重量を下げる代わりにリーチを長くした機種だと思われます。
川崎重工の医療向け新型ロボット
川崎重工から、医療向け新型ロボットです。
www.nikkei.com
こういった用途のロボットは、外装がSUS(ステンレス)で、独特の見た目です。
うまいことボルトも隠してあり、どのような構造なのか、気になります。
安川電機の新型小型ロボット
www.nikkei.com
安川電機からも新商品です。
可搬質量10kg・最大リーチ1101mmで、今までのラインナップのスキマを埋めるような機種かと思われます。
(従来の機種よりも可搬重量およびリーチが少しだけ上回っているが、ボディサイズはそれほど大きくしていない)
ソニーがロボット技術を外販へ
eetimes.itmedia.co.jp
ソニーが自前で培ってきたロボット技術を外部提供するという記事。
触覚センサーとアクチュエータが紹介されています。
アクチュエータについては、過去記事でも述べたように、多くの会社から発売されているため、どのように差別化していくのかが気になります。
過去記事:アクチュエータユニットが流行っている件 - FA・ロボット業界の片隅から
ヒト型ロボット開発のための連携組織(国内)
www.nikkei.com
村田製作所・テムザック・SREホールディングス・早稲田大学の4者で、ヒト型ロボット開発のための連携組織「京都ヒューマノイドアソシエーション」を立ち上げたとのニュースです。
29年3月までに量産モデル完成が目標とのこと。
続報も出ており、
www.nikkei.com
参画企業が増えたことや、
まず26年3月までに、身長約120センチメートルの小型ロボットの試作品を製作する。この試作品をもとに、26年末に災害対応向けと研究向けの2種類を開発する。
というロードマップが記載されています。
豊田自動織機の内製2輪搬送ロボット
www.nikkei.com
工場で使用するAGV, AMRは4輪が多いですが、あえての2輪です。
電源が切れた際の安定性に懸念がありますが、一応電源なしでも自立する構造なのでしょうか?
理論上は、2輪だと自重が軽くなり、運動エネルギーが小さいことで人と接触した際のリスクを低減できるため、そこそこスピードを上げるという運用も可能です。
意外とアリなのかもしれません。
テスラ一部の「ギガキャスト」構造を見直し
www.nikkei.com
テスラの革新的な製造方法の象徴として取り上げられることの多いギガキャストですが、
車体の構造の一部で、ギガキャストの構造をとりやめ、板金プレスなどに変更していたとのニュースです。
当ブログの過去記事でも
(逆に、いろいろ欠点が露呈して元の板金プレス+スポット溶接に戻るかもしれませんが・・)
ギガプレスはロボット業界にどう影響するか - FA・ロボット業界の片隅から より
と書いていましたが、決してギガキャストが未来の最適な製造方法ということではなく、適材適所で使われるべきものであると思います。
ロボットメーカとしては、自動車業界の大勢がどちらに行っても対応できるように準備しておくというスタンスでしょう。
ロボット活用
ロボット活用に関する記事をいくつか紹介します。
ローソンでロボット・AIを活用した店舗
www.nikkei.com
6月の記事なのですが、紹介します。自動陳列ロボは、ロボットアームですね。唐揚げのロボットはどちらかと言うと専用機のような外観です。
動画は昨年のプレスリリースの際に公表されたものです。
イオンのネットスーパーでロボット導入
ロボットでどら焼き箱詰め(エプソン)
イトーキの物流ロボットの特集記事
toyokeizai.net
本ブログで多く取り上げる垂直多関節ではなく、倉庫ロボットですが、
家具メーカのイトーキがロボットも手掛けているということを初めて知りましたので紹介します。
要素部品やサービス
球状歯車の量産開始に向けた動き
1つの要素部品で、3軸の動きが実現できるとのことです。
詳細が分からないため断定はできないのですが、バックラッシやギヤの強度などの基本的な性能はインボリュート歯車に準じるのではないかと思います。
そのため、ロボット業界で標準的に使用される精密減速機*1で実現している動作精度にどこまで肉薄できるか、あるいは、まったく別の活路を見出すのか、といった点が気になります。
下記は、兼松株式会社の球状歯車紹介ページ
www.kanematsu.co.jp
モノタロウがオーダー加工サービスを開始
ミスミのmeviyほどの自由度はまだなさそうですが、こういったサービスが続々と出てくることで試作時のスピードもアップしていきそうです。
www.monotaro.com
*1:商品名で言うとハーモニック減速機やRV減速機、サイクロ減速機など



