FA・ロボット業界の片隅から

FA業界の片隅のフリーランス機械設計者のブログ。 産業用ロボットウォッチが趣味です。

3H(初めて・変更・久しぶり)について

製造業では、アルファベットの略語がよく使われます。
KY(Kiken Yochi)、3M(Man, Machine, Material)、4M(3M + Method)などなど・・・
そのような略語の1つに3Hというものがあり、私は変化点に注意を払うという意味合いで重視しているので、紹介したいと思います。*1

3Hとは

3Hとは

初めて・変更・久しぶりの頭文字をとって3Hです。
品質の観点で考えると不良が発生しやすい状況と言えますが、安全の観点から見ると事故が発生しやすい状況と言えます。

「初めて・変更・久しぶり」を「組織」としての観点と、「個人」としての観点で見ていきたいと思います。

  • 「組織」として・・・指示を出す側・組織のリーダーの観点
  • 「個人」として・・・自分が指示を出される側・実務担当者の観点

と言い換えてもよいです。

「組織として」

まずは、チームなどの組織に対してこの3Hを適用してみます。

「組織として」初めて

部や社として初めて実施する場合、事前準備もしますし緊張感もあります。また、おそらくはメンバーの中で熟練の人が担当することになるでしょう。
そのため、うっかりや漫然とした行動でのミスというのは発生しづらいです。
事故やミスが発生するのは、様々な要因を想定しきれなかったなど、事前の準備不足が原因となるように感じます。
できる限り多くの人の意見を集め、検討モレがないようにすることが重要です。

「組織として」変更

「初めて」の時と同様、重大な変更であると認識された場合は、事前準備をしっかりするはずです。
むしろ、変更が軽微であるという認識で、あまり準備をしなかった時にトラブルが発生することが多いのではないでしょうか。
忙しい日々の業務の中であっても、変化点の軽重をきちんと認識できるかが重要だと思います。

「組織として」久しぶり

この「久しぶり」がクセものだと感じます。
「あ~はいはいそれね。前にやったことあるわ」と油断しがちです。
ですが、以前にやっていた時とは、人員や設備、その他の環境条件などが変化していることも往々にしてあります。
「久しぶり」の背後に「変更」も隠れていることが多いため、注意が必要です。

「個人として」

次に、自分個人として3Hを意識してみます。

「個人として」初めて

指示を出した上司などが、初めてであることを意識してくれていればいいですが、
そうでない場合は「私はこの作業は初めてです」と、食らいついて手順・段取りや注意点などを聞き出しましょう
経験のある先輩に聞いてみるのもいいですね。
新人のうちは特に遠慮してしまいがちですが、自分の身を守るという意味でもどんどんいきましょう。

「個人として」変更

組織(チーム)としては定常業務であっても、配置転換や業務変更などで自分自身にとっては変化点があるということも多いです。
また、「組織として『変更』」でも書いたように、組織としては(事前検討の段階では)変化点があることに気づいておらず、実務担当となった人だけが変更点に気づくといったこともあるのではないでしょうか?
この場合もしっかりと問題点を打ち上げ、事故や品質不良を事前に防ぐような行動をとることが大切です。

「個人として」久しぶり

「組織として」でもクセモノと書きましたが、個人としても要注意です。
「以前にやったことがある」という事実はどうしても油断を招いてしまいます。
ですが、何も見ずに、その時の手順を細かい事柄も漏らさず頭の中でトレースできるでしょうか?
初めての時と同様の緊張感で、人に聞いたり下調べをしたり、当時の自分のメモなどがあれば再確認するなど、しっかりと準備をすることが大切だと感じます。*2

まとめ

今回は3H(初めて・変更・久しぶり)について、「組織として」「個人として」に分けて書いてみました。
少しくどくなってしまいましたが、3Hの観点は、危険予知に限らず問題を未然に防ぐアンテナとして有用です。

なお、「組織」「個人」、つまり指示を出す側と受ける側で立場によって見え方が異なるのは、常に付きまとうことですが、
指示を出す側の人間は、組織としての3Hを気を付けるとともに、業務指示する相手(部下)個人にとって3Hかどうかも気に掛けることが、事故防止に重要だと感じます。

*1:なお、私は前職の先輩から聞いたのですが、他の略語に比べて知名度が低いように感じます。

*2:余談ですが、年末調整や法人決算は、毎年毎年、強制的に「変更」であり、「久しぶり」です